中判機導入!

飯豊の撮影で解像度や奥行き感の物足りなさと、35mmフォーマットの画面比への疑問を覚えて以降、念願だった中判一眼レフ機を導入した。
といっても実は、11月に二眼レフ(つまり6x6の中判機)であるリコーフレックスダイヤを導入していたのだが。中判入門というか、実験の意味合いで買ったのだが、こいつは50年前のカメラのくせにレンズの描写が素晴らしい(対応スキャナを持っていないのでお見せできないのが残念)上に使い勝手も良く、すっかり中判に味をしめてしまっていた。
ということで山に持って行ける「仕事」用の一眼レフ機を、うんうん悩みつつ相場をにらめっこしつつずっと探していたのである。本当は軽くて取り回しも楽なレンジファインダーが欲しかったのだが如何せん高い。主要な使用者であったスタジオがデジタル化真っ盛りのせいか、中判一眼レフは随分と安くなっているのだ。


ということで購入したのはMamiyaのRB67ProSD。
まずフォーマットから考えたのだが、6x4.5はフォーマットが小さく、なけなしの財を投じて新たに機材を揃えるにしては中途半端、6x6の正方形は非常に魅力的で自分にも合っていると思うのだが、風景に使う、さらに印刷やプリント出力を考えると微妙。6x6フォーマットの雄であるハッセルブラッドは値段高いし、かといってキエフなどのロシアカメラはかなり壊れやすいらしく山に持って行くのは不安。となると6x7だろう、となる。6x8、6x9となるとやたら重くなったりレンズ交換できるカメラがなかったりで、野外撮影用のシステムを組めるものがない。
大判カメラ(布を被って撮影するやつ)とも最後まで迷ったが、撮影コストが高いのと、手間がかかるので自分にはまだハードルが高いだろうと判断した。
しかし、6x7機というのもかなり少なく、MamiyaのRB,RZシリーズ、そしてブロニカのGS-1という機種しかない。最初は軽量なGS-1を選ぼうとしていたが、Flickrなどに掲載されている作例を見ると、どうも面白くない写りをしている。ということでMamiyaに。Mamiyaレンズの描写もあまり好きではないが、まあしようがない。しかも、RB,RZシリーズの特徴はまずひたすらでかくて重い(標準装備で2.5kg、交換レンズは平均800gくらい、フィルムバッグの重さはOM-1とほぼ同じ!)と言うことで、今まで重厚なカメラを嫌い、軽量な装備を整えてきた自分にとっては、導入するには宗旨替えにも近い苦悩があったのだが、写りには代えられない。
そうするとRB,RZどちらを取るかということになる。RBは低温に強く電池も要らない、修理も楽な機械式シャッター(つまりバネやゼンマイで動いている)、RZは正確だが電池を食い、低温にも弱い電子シャッターである*1。またRBは撮影するとき、シャッターチャージとフィルム巻き上げを別々に行わねばならないのだが、これは既に二眼レフで馴れてしまっていたので特に問題と感じなかった。今後寒冷地での撮影が増えるだろうし、電池の残量を気にするのは面倒だ、と考えて結局RBにした。

こんなふうに消去法で選んだため、買いに行く時もちっともウキウキしなかったし、装備の総重量7〜8kgを背負って山を登ることを想像すると憂鬱にならざるを得なかった。

*1:余談だが、秋の朝日連峰で、寒さのためにデジカメのバッテリー切れを起こしてしまっている人が沢山いた。バッテリー駆動のものは寒さに弱いのを知らなかったのか。かといって寒冷地で使える機械式のカメラはほとんど絶滅してしまっているからなぁ…。懐でバッテリーを暖めつつ写真を撮るしか寒冷地撮影の手段がないというのも、もの悲しい話である。世の中進化しているんだか退化しているんだか分からない。