求職用文書

写真の講師のアルバイトがあったので、応募してみた。応募フォーマットに初心者勧誘の文章を書けだの、質問を想定して回答を書けだの面倒な項目があったので走り書きしたが、なんだかそれっぽく書けたので載せておく。こんな死生観の濃い文章書いていたら採用されないだうw

初心者に対してのPR

日々成長するお子さんの可愛らしい表情、美しく咲き誇る花や自然…

世の中に変化しないものはなく、美しいもの、素晴らしいものも目まぐるしく変化していきます。

目にした素晴らしい一瞬をカメラに納め、手元に残したい気持ちは誰もが持ったことがあるのではないでしょうか。

一方で、カメラはどんどん進化し、多様化・複雑化しています。

カメラを扱うのが難しそうで写真を撮る気になれない、実際に使っても失敗ばかりで諦めてしまった、撮っていてもおもしろくなくて、あまりカメラに触らなくなってしまった…そんな方も多いかと思います。

でも、撮影する上で人が決めなくてはならないのは、シャッタースピード、絞り、ピント、感度、このたった4つの数字だけなのです。携帯のカメラも、たくさんのボタンがずらりと並ぶ一眼レフも、このことは変わりません。

そして、光の表情を読み、この4つの数字を決めるだけで、無限の表現が生まれます。

とっつきやすく、奥も深いのが写真です。このことは他のジャンルにない、とても良いことだと思っています。

自分も小さいころ親のカメラに憧れてたびたび貸してもらい、手探りで操作を覚えました。独学で撮って失敗しては本を読み、少しづつ少しづつ技術と知識を積み重ねていき、プロの門をたたきました。

目の前の景色を見たように撮る、よりドラマティックに、より愛らしく、やさしく…素晴らしい被写体も、それを表現する方法も無限です。
一歩一歩、あなたの撮りたい素晴らしいものを、撮りたいように撮れるようお手伝いしていきます。一緒に勉強していきましょう。

カメラを学ぶことによってどんなメリットがありますか?(人生についてとか交えて書いてという指定)


旅行のとき、「カメラを持っていると写真を撮ることに夢中になってしまい、観光地を楽しめなくなってしまうので、カメラは持たない」という人に何人か出会ったことがあります。なるほど…と思いつつも、どこかで違和感を覚えました。

確かに、撮ることに夢中になり、撮れたら満足して名所や旧跡をゆっくり楽しまずに帰っていってしまう人はよく見かけます。
はたから見ていればもっとゆっくりしていけばいいのに…とは思いますが、だからといってカメラを置いてきてしまうのはもったいない、と思うのです。

話はいきなり抽象的になります。

諸行無常、万物流転というように、全てのものは変化していきます。生きとし生けるもの、いつかは死を迎えなくてはなりません。

「全ての写真は遺影である」とロラン・バルトはいい、写真家の藤原新也は「メメント・モリ」(死を想え)というシリーズを、同じく写真家の荒木経惟は「エロスとタナトス」(愛の神と死の神)というシリーズを発表しています。写真において、時間の有限、死は強く意識されています。

全ては変化しなくなっていく、それでもその一瞬を残さずにはいられない、という対象への愛や執着、運命へのささやかな抵抗が写真を撮る行為だと思っています。

人生のなかで、たくさんの写真を撮って下さい。撮影対象をより深く観察し、慈しみ、愛おしみ、一瞬一瞬の素晴らしい表情をカメラと脳裏に焼き付けて下さい。

その過程で、あなたの「見る」という行為はより鋭く、多角的に、一瞬を捉え逃さないようになり、今まで気づかなかった美しいものや素晴らしい一瞬に出会えることでしょう。