自転車で見た景色

 昨日の夕暮れ、久々に自転車を漕いで宅急便を出しに行った。以前8kmと言ったけど、それは某駅までの距離で、実際は5kmほど。
 いつも自動車で行く道のりの風景は、人家もまばらな台地の上を縫うように走る、静かな景色という認識だったが、自転車に乗るととたんに解像度が上がる。耕作放棄地、産廃処理業者、建築業者、太陽光発電所、唐突に現れる、小さな住宅団地、何に使われるでもない空き地…まともに作付けされている耕地は実に少ない。自分のなかで、どこか牧歌的と思っていた景色がたちどころに現実的な都市周縁的景観となっていく。そして、どこに行くか分からない、ジャングルと化しつつある平地林の奥に伸びていく細々とした砂利道の数々。
 朝が早く、すでに眠かったのでカメラを置いてきてしまったが、残照を受ける産廃の山、何が作られるかも分からない、緑に没しつつある造成地、耕されたばかりのふかふかとした土が、湯気を立てんばかりの雑木林に囲まれた畑など、撮れそうなものはたくさんあった。