帰宅した

12日から21日まで栗駒秋田駒ヶ岳に、それ以降から昨日まで岩泉、葛巻を経由して八戸から気仙沼まで沿岸を南下してきた。運転し通しのまま、寝る間もなくお台場に労働に行ったが、夕闇におぼろになっていく東京湾の景色がどうしても、つい昨日見ていた、海に浸かってしまった気仙沼の臨海部の景色のような気がしてしまうのだった。目の前の景色は津波に洗われることもなく、青緑の海面にゆらゆら昆布の揺れる様が見えるわけでもない、東京の海なのだということが認識しきれない。ウミネコでも飛び交っているのではとつい外を確認してしまう。自分のなかに何かあの美しい海の残響のようなものがはっきりとした形で残っており、どこか現前の光景に現実感がない。荒々しい波と深い青緑の淵のコントラスト、空襲で焼け野原になってしまったかのような街、土砂で埋まってしまった湾、ひしゃげた線路…壮絶な景色だが強い存在感があった。