フクロウを見た

つくば駅から歩いての帰り、森と耕作放棄された谷津田のなかに人家が2軒、ぽつんとあるような寂しい場所で、ふと上を見上げたらフクロウがいた。道路沿いの電線に留まり、こちらを見下ろしている。距離にして僅か4〜5mくらいだったろうか。既にあたりはすっかり暗かったが、あまりに近いがために、誰が見てもフクロウとわかるような、まるんとした特徴的なシルエットが見て取れる。こちらがゆっくりと進むと、フクロウもちゃんと首を回転させていたのが微笑ましかった。あまりに逃げないので、ちょっと声をかけてみたら、本当に僅かな風切り音だけを残して、静かに飛んでいった。羽を広げると大きくて、猛禽の貫禄十分だった。

そのことを、帰ってから伯楽住民の一人に話すと、彼も最近フクロウをよく見るという。この辺では、フクロウの存在自体は珍しくなく、シーズンになれば一帯で盛んに鳴き声がするのだが、姿をここまではっきりと見たのは初めてだったような気がする。ここに来て、お隣の中根・金田台とやらの開発はまたペースを取り戻したようで、盛んに工事の音がする。伐採もだいぶ進んだようだ。見かけたのは縄張りを無くしてしまった流浪のフクロウ達かも知れない、と話をした。

あまりに慣れてしまっていてつい忘れてしまうが、自分が今住んでいるところは、つくば市で最もまとまった平地林が残っている最後の地区だった*1。ここが開発されると、あと残されているのは隣接している宍塚くらいだ。田舎の癖に欲出して開発なんかして…大学院に居た頃に先輩に教えて貰ったおぼろげな情報だと、今工事している地区は、研究者や教授陣、芸術家なんかをターゲットにした、敷地にゆとりがあり区画に緑あふれる農住一体型?宅地になるらしい。アホくさ。

*1:もっとも、開発計画は他のTX沿線開発地区と同時に出ている。単に手が付けられるのが遅かったというだけなのだが