グループ展のお知らせ

 さて、19日から始まるグループ展ですが、飯豊と朝日の写真を中心に、昔撮った写真をちょこっと混ぜて出品しようかと思うに至りました。以下、テーマというか紹介文です。最後のほうがやけくそですが。

山へ−彼岸の世界へ

山の上は気持ちがいいものだ。空は広く空気は澄み渡っている。視界を遮るものもなく、足下を見れば色とりどりの花々や色づいた木々の葉。距離感のおかしくなりそうな雄大な景色の前でぼーっとし、これが天国というものか、かつての山伏や修験もこの世界を極楽に例えたに違いないとしばし思う。
だが、写真を撮ったとき、そこに奇妙な静けさが写り込む。山は飛び回る虫たちや動物の気配、気象の絶え間ない変化、時に登山客などで賑やかな筈なのに…命のエネルギーに満ちている筈の空間がこうも荒涼と、茫と、静かであるのか。
そこに私は死の気配を見出す。生命が死に、朽ちて、やがて来るであろう再生を待つ時の静けさを連想する。それは穏やかでゆっくりとした、解放に向かっていく時間だ。
雲上の世界は極楽であるが、極楽と一言で片付けてしまいきれない、静かな死の気配に満ちていると思う。そういう極楽とも黄泉ともつかない世界を、敢えて例えるなら、彼岸という言葉が相応しいのかも知れない。

コダクロームで撮った写真が中心になります。やはりコダクローム、素晴らしいフィルムです。シャドウの階調がとても豊かで、モノクロームのように光と影が織りなされている。今回はコダクロームの良さを十分に引き出せたと自負しております。ある意味、他ではなかなか見ることの出来ない写真をお見せできるかと。他にも、絵画、イラスト、造形作品など、様々なジャンルの出品があるようなので是非どうぞ。場所はこちら、時間は11:00〜18:00(最終日16:00まで)になります。26日までやっています。19、23、24の土日に在廊しますので、遊びに来て下さい。