銃夢読んだ

銃夢(GUNNM) 1 (ヤングジャンプコミックス)

銃夢(GUNNM) 1 (ヤングジャンプコミックス)

tsukuba3のギターレッスンの教え子さん(といっても我々よりずっと年上だが)が、「攻殻機動隊とかが好きならお薦め!」といって彼に貸してくれたのをついでに拝読。
世界観やストーリーはどこからかの借り物な匂い(北斗の拳とかね。「電」がラオウにしか見えなかった。)がしてそこまで衝撃を感じなかったのだが、とにかく骨にまで響いてきたのは主人公ガリィの存在だ。作者はガリィに対して、もしくはガリィを通して限りなく女神崇拝に近いことをやっているんだが、それがちっとも鼻につかない。ナウシカなんてもう鼻についてしょうがないし、「こいつはもはや人間じゃなくて宮崎の妄想に生きる女神タンだ!」と感じてしまうのだが、そうした露骨な女性性を超えて、ガリィは強いどころじゃないサイボーグなのにもかかわらず、どこまでも実に活き活きとした人間で、女性で、でもやっぱりちょっと偶像的なのだ。ちっとも少女らしくなく(たまにそういう仕草もあるがなんか描いているほうもぎこちない)、女性らしい言動もとらず、戦いのなかで狂喜するような表情を見せる彼女は、実に女らしい。闘っているときのフーフー言っているときの表情はほんと、本物だ。狂ってる。何度見ても飽きない。ガリィという少女が存在し、生き、「業(カルマ)」のなかをはいずりまわりながら闘うことに対する限りない、でもどこか醒めた憧憬、崇拝。

ノヴァ博士の狂いっぷりも良かったなぁ。

昨日読んだのにまだ頭のなかをぐるぐる回っている。どちらかというと見かけのインパクト(脳がぐちゃっ!とか)によらず、遅効性の作品なのかも知れない。また見方が変わったら書きます。