久々にニュース読むといろいろ出てるな

注目URLに出ていた郵政関連のHPを読んでみた。
http://holyweb.fc2web.com/yusei_zokugiin.html

下の方のQ&A見たら反共サイトなにおいぷんぷん。官営サービスを社会主義と資本主義の対比でしか論じられず、民営化反対者は社会主義者だから反対するんだ!みたいなノリにはついていけません。リストを挙げていくのには一向に反対しませんが。
あとこの人、最後の分で民主主義と資本主義をごっちゃにしていますね。一概には言えないが社会主義の対義語は民主主義、共産主義の対義語が資本主義じゃないだろうか→http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kak2/1211071.htm。あと、記事の下のほうでは社会主義社会民主主義をごっちゃにしている。日本には社会民主主義者はたくさんいても、社会主義者はそうはいないでしょう。それに、郵政民営化で多くの人が欲しいのは国債まみれの財政を健全化、効率化することで、給料増えることではないと思うのだが。


Q: 郵政民営化に反対しているのはどのような人ですか。
A: 1.特定郵便局長やその妻・家族及び職員などの直接の影響を受ける人。お役所日の丸で行きたい人。郵政民営化に反対するホームページの大部分は、これらの人達が作ったもの。自民党郵政族議員および民主党自治労族議員によって政界に大きな影響力を持つ。
2.局の廃止およびサービスの低下を妄想する人。
3.民よりも質の悪い官のサービスを好む人。
4.亀井静香のように、経済学的な知見が無く郵政民営化の経済的本質が理解できない人。
5.社会主義を好む人。


↑からは「民営化は経済発展を目指す上で至上の策であり、それに反対するものは時代遅れである社会主義思想か既得権益にしがみついている人間、そうでなきゃ変人のどっちかでしょ。そんなやつら排除!」という議論のとりつくしまのないカテゴリーに凝り固まってますね。

・・・そもそも「官営サービス=無駄と非効率は先天的でしょうがない」「民営化すれば問題解決の緒がつかめる」という考え方が気に食わん。責任丸投げのように感じる。官営のままでもできることは幾らでもあるはずだ。まあ、確かに俺もそういった「お役所体質」を改善するよりも、民営化したほうが早いと思うけど。だからといって独法化のときといい、安易に民営化という「カード」に頼るのはどうかと思う。今までお役所経営を行ってきたものの責任の所在はどこに行くのだろう。
郵政民営化の本筋からはずれるが(やっぱり郵政公社はちと特殊なので、でも底に流れる問題は同じだと思う)、官の本質を改善していかない限り、市役所の窓口まで、何から何まで民営化しないとやってけないですよ。

「民よりも質の悪い官のサービスを好む人」
・・・郵貯便利だし、郵便も結構速いし、EXPACKとか新商品も出しているし、一消費者としてはまったく不満はないですがね。末端の窓口は、対応もここ5年くらいですごいサービス改善されているし。貯金は銀行よりもずっと使い勝手いいし、郵便も運送業者と比べても遜色ないと思うがなあ。「郵便局を民間に解放することで、より多様なサービスが〜」なんて言っていますが、別にこれ以上望まないです。運送業者のコメントを見ていても、各社の競争が激しい上に市場が飽和状態になっているから、郵政公社の独り占めはズルイ!程度にしか響かない。

まあ、きっとはてなの人たちは、リストのみに関心を寄せて、下のQ&Aは箸にも棒にもかけていないことでしょう。ということで、議論が冷静なこっちを見ましょう。
http://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/200508091144.html
やはり問題の大きな争点は財政・金融面でしょう。国庫にとって大きなキーとなっている郵貯ですが、「経済学的な知見が無く郵政民営化の経済的本質が理解できない」自分にはなんともいえない問題です。ただ、ひとつ言いたいのは、ロスが多いのは国が郵貯から巨大な財源を得ているためではなく、それを使う人の使い方がまずいからでしょう。ただ、精神治療をやっている余裕はないわけで、大きな外科治療が今必要なのだということも納得してしまうわけです。だからといって気長な治療や、精神治療を怠ってはいけないわけで。公務員すべてに、手厚すぎる身分保障をやめて、給料減らすなりリストラするなりすればいい(※俺は公務員志望者ですが)。
郵政事業がその突破口にもっともなりやすいという小泉首相の意見は納得がいくし、国が今までと同様の利便性を保障するなら民営化してしまえばいいと思う。とにかく言いたいことは、官だからいけない、民営化すればなんとかなる、「大きい政府」=非効率&腐敗、「小さい政府」効率的、ローコストという考え方ではなく、官そのものの業務・経営を改善していくことがまず求められて、それでもだめだったら民営化の「カード」を切るしかないということです。

よくJRの民営化の例がだされるので、それについては一言言っておきたい。民営化がもたらしたのは利益重視による、必要性の疑わしい新幹線偏重と、安価な長距離輸送、そしてローカル網の著しい衰退だった、と俺は解釈している。新幹線と引き換えに在来線をバカ高い3セクに転換、もしくは本数の激減、最悪廃止してきたところは、本当にそれでよかったんだろうか。もっとも地方の人がみんな車持つようになっちゃったので、文句を言う声はほとんど聞かないけれど。
東日本では窓口の対応も悪かった。遅いし無愛想だし、こちらが若輩者なのをいいこと敬語もろくに使わない人によく当たった。西日本で、「いらっしゃいませ」と言われてものすごいカルチャーショックを受けたのを覚えている。ここ2,3年で急速によくなったのではないだろうか。
いつも思うのは中距離急行列車を復活させればいいのになあ、と思うこと。在来線の基盤を整備して、今の「スーパー」級をさらに速くし、普通の特急クラス(フレッシュとか)のサービスをちょいと落として今よりも高めな急行料金を設定したら受けると思うんだがなあ。というよりも、実際には「スーパー」級とさらにローカルな特急が幹線では明らかに分化しているのに、イメージと料金の問題から特急という言葉に固執するのが腹立たしい。寝台特急だっていくらでも改善の余地あるだろ・・・と止まらなくなるので鉄の話はまた今度。とりあえず、今のJRは利益偏重でローカル網をないがしろにしていること、貧乏人が長距離移動に使うには不便なことこの上ない交通機関になってしまった。ということで、公共交通網として問題山積みのJRを民営化の成功例の引き合いに出すことには抵抗があるわけです。