デジカメ選びに悩むモトキ氏への私信

画質だけだったら、という枕詞が付くんだけど、SIGMADP1DP2がすごいらしいです。GRデジタル、敵じゃないらしいです。逆に、画質以外、操作性・記録スピードなんかは評判悪いです…多少気難しいものっていう基準には合うかも。致命的なものではないみたいだし。コンパクトで、かつそれなりに予算をかけられるならDP1DP2、どちらかがいいのではないかと。製品寿命も長そうだし、ちょっと高いが元は取れると思う。自分が使ったこと無いので、いい!と言い切れないけど…一応、デザインもモトキ氏の好みの範疇に収まっていそう。でも、残念ながら単焦点(爆

ちなみに、GXシリーズ2台目、GX8というものをいまだに使っています。そこそこ便利だけど、撮った写真が、旅先や日常のスナップとして(要はそんなに高くないレベルで)使えるレベルかと言われるとかなり微妙かも…空気の澄んだ日に、低感度で、ある程度絞り込んでやればそれなりに綺麗な絵が撮れるが…大抵の写真は後で見返してもそんなに楽しくなれない。意外と、さらに数年前の安デジカメ、RICOH RR10のほうが健闘しているような…←さすがに言い過ぎでした。比較してみると解像やカラーバランスはダンチだ。

楽しくなれない最大の要因は、おそらくダイナミックスレンジ(光を記録できる範囲)の狭さか。これが狭いと、濃淡、陰影がない、ペラペラとした感じに写る。

作例を見る限りでは、その画質とか性能の系譜をGX200はしっかり受け継いでいるし、ネット上の作例パッと見ではあまり進歩していないような…むしろ退化している部分もあるかも知れない。面白便利機能は色々ついたみたいだけど。RAWで撮って、自分でいじればまた違うのかも知れないが。まぁ、でも今くらいの値段に落ち着いてきたのなら、とりあえずお試しとしていいのかも知れない。他にこういうスペックと外見のカメラは無いし。


↑訂正。
過去の写真を見返していて、これはカメラが悪いことは悪いんだが、その狭さを理解せず、「駄目なカメラ!」と憤慨だけして、微妙な写真を量産するに任せていた自分も相当悪かったことに今更ながら気付かされる。光の帯域が、その狭い範囲に上手く収まっている写真はまずまずなんだよなぁ。輝度差の大きい場面が多い自然界では失敗が多いが、あまり差のない街中などの写真は良く撮れている。
今までは「こんなので白飛びしたりモヤモヤしたりするんじゃねぇ!」とばかり思っていたが、自分も、もうちょっとそこにはめ込む努力と状況の選択をしてやれよ、ということになる。デジカメって、押せば撮れるように思っていたが、今更、激しく今更、それは大きな誤解と気付かされた。フィルム時代のコンパクトにポジを詰めるよりも神経使って撮るべきだった…さらにホワイトバランスという要素も加わるわけだし。


ということで、GX系は(恐らくGR系も)露出が「当たれば」いいカメラなんだろう。なので、モトキ氏がGX200を扱う場合、カメラ任せでも露出とWBをある程度適切に選択してくれるようになっているのか、そうでなければGX8よりもダイナミクスレンジが拡がっているのか、が鍵になってくるのかも。さすがに3年経っているので、そういう使いやすさとか汎用性、基本的な性能は向上していると思うが、どうだろう。
高感度に弱い(だいぶ改善はされたみたいだけど)ということもあるし、ダイナミクスレンジの狭さと合わせると、フルに性能を発揮できる場面は相当限定されそうだが…そのことと、フルに性能を発揮出来たときの画質、外観、スペックを天秤にかけると…対抗馬がいないということもあって、何とも言えない。


山。

村。シャープだな。

街中。輝度差は結構あるけど、これくらいだと無理がない。

参考:RR10で撮ったやつ


あと、個人的には、実際、ズームってそんなに使わないんじゃないかなぁと思う…日常生活で使う焦点距離って、だいたい28mm、35〜40mm、せいぜい50mmくらいなもので、何か特別な被写体(鳥とか)を追わない限り、望遠を使うことってあまりない。焦点距離を変えれば画像の特性も変わるし。とくに、ボタンでちまちまやるタイプのズームって、なかなかちょうどいいところで止まらないんだよなぁ…(その点、RICOHお家芸、ステップズームはものすごく重宝しました)。とりあえず思ったほど便利じゃない、というのがGX8やその他コンパクトカメラのズームを使っての感想。、焦点距離の違う単焦点コンパクトを2台持つほうが、速いし楽だし画質もいい、というのが、自分なりの解です。そりゃ面倒だ、というのであればオリンパスのSPシリーズとか、フジのFinePix S100FSとか。ただ、こいつらズームはすごいけど、あまり格好良くない。

あと、ものすごく天の邪鬼なお薦めとして、KodakのEasy Share V705という機種。生産終了な上に700万画素と、だいぶ時代の彼方にいっちゃった感のあるカメラだけど、奇抜なデュアルレンズという発想と、深いコダックブルーが魅力的。ダイナミクスレンジも広そう。深みのある絵で俺はかなり好みだ。GXシリーズよりか楽しく遊べるだろうし、愛着も湧くんじゃないかなぁ。ズームもまぁまぁ使えるみたいだし、パノラマ撮影とかも出来るらしいよ。

フィルム派としては、中古価格が3万前後で落ち着いてきたかつての高級コンパクト(GRシリーズ、ミノルタTC-1、コンタックスT・Gシリーズ、コニカHexarなどなど)に、モノクロを詰めてガンガン撮って、自家現像→スキャナ取込して欲しいが、叶わぬ夢だよね…でも安く済むし、画質はとてもいいし、フィルムとプリントは100年くらい持つし、カメラも長いこと使えるしで、良いことづくめだよ。写真に情熱がなくてもカメラに情熱があれば、こちらをお薦め。