メンバーがアルメニアアメリカ人という情報だけで、System of A DownというバンドのCDを購入したのだが、蓋を開けてびっくり、バリバリのハードロックでした。その筋では非常に有名な人たちなようで。
最初は爆音のギターとデスボイスにたじたじ。しかし、何回か聴いてみると、アルメニア民族音楽や聖歌(大好きなのです。奇数拍子も出てくれば完璧なのに…)を思わせる旋律回しや、ぶち切れつつも実は非常に整っている演奏に徐々に引きこまれてしまった。まず演奏技術とテンポ、アンサンブル?がしっかりしている。「ゴー」とか「ギャギャギャギャ」とかいっている割にサウンドも破綻していない。均整が取れているのだ。それと、楽曲の中で、CDの中で、ぶち切れと叙情的?な部分のバランスがちょうど良く感じる。
だからだろうか、大音量でガンガンかけるのがやっぱり醍醐味なんだろうけど、BGMとしても意外に心地よく聴けてしまうのだ。人生初のハードロックなCDの購入は思いがけず良い出会いとなってしまった。


System of a Down

System of a Down

楽曲の構成や譜割はシンプルながらもファーストアルバムとは思えない、サウンドと世界観の完成度。Toxicityよりもライブ感が強く、アルメニア色が強い(とはいってもタルカンのような露骨なものではない)。また、より殺伐とした印象を受ける。一曲目、爆音ギターが普通にトライアードのアルペジオを奏でたと思いきや、ヴォーカルの旋律が中近東な匂いプンプン!

Toxicity

Toxicity

セカンドアルバム。よりキャッチーになった。tsukuba3は「売れる音楽になった」とのたもうていたが、良くも悪くも、どちらかというと悪く?その通りだと思う。大ミキシングのせいかも知れないが、ライブ感は薄れ、ハードなのはポーズなのでは?と疑ってしまうようなサウンドになった。あとヴォーカル担当が増えたのも、殺伐さを軽減させているような気がする。強烈なアルメニア色が失せたのも、「ちっ、結局は大衆受けかよ」と思ってしまうが、最後の曲で民族楽器の独奏と、そこから発展する、謎な奇声の入った展開が設けられており、成分が一気に濃くなっていて◎。

追記:聞き込んでみるといいアルバムだわこれ。そもそもハードロックなのに聞き込めるというのがすごい。よく聴くとところどころツィターのような音が入っていたり、実はアルメニアンな旋律だったりと、エスニックな感じを結構漂わせている。10曲目のScienceの、普通にハードロックから、バリバリ民族音楽の世界に繋げてしまう展開は神。ていうかエスニックにこだわらなくとも普通にかっこいい!