これだけで良かったのでは?

元ちとせ「故郷・美ら・思い」
名瀬の会社が出しているだけあって、はまぞうにはさすがにないか。リンクは適当です。
伯楽のOさんから借りました。三線と彼女の歌だけのシンプルな演奏が、圧倒的な世界を生み出している。ここでの彼女の歌は、聴いていて微塵の不安も感じさせない。民謡というIndividualismからはほど遠い世界でありながら、強烈に彼女と奄美の存在をたたき込んでくる。アンプのせいもあるのだろうが、美しい(彼女のハイトーンは現在メジャー盤で聴くよりも遥かに美しいが)というよりかは、力強さとひたむきさを感じさせる。高校生でこんなふうに歌えるのか。泣ける。
そしてIndividualismからほど遠いところに彼女がいた(であろう)からこそ、彼女は東京でメジャーデビューして、この頃持っていた良さを失ってしまったような気がする。この民謡だけで、十分に多くの人の賛同と熱烈な支持を得られると思うのに。