そうそう

都響の不滅はとても素晴らしかったのです。一緒に聴きに行っていた人が言っておりましたが、実際不滅は観て楽しむ曲だわ。オケ全体、セクションごとのアンサンブル、弦トップや木管数本のアンサンブル、弦のパートごとの攻防などなど色んなオケの鳴らし方をするので、あっちにこっちに目が行きます。そして目の行かないパートがない。全て鳴らしきっていて、木管が3管なのも観て初めて理解できた。そして不滅でティンパニの次にかっこいいのはチューバだという俺の主張は見事証明されました。
そう、ティンパニですよ。生で観たらすごいだろなーとは当然思っていたけど、手放しで素晴らしい。なんてったって、第4部に入る時に猛烈にはやいパッセージをチェロ&コンバスが怒涛の勢いで見せて、それが盛り上がりきってピタっと止まった瞬間、今までずーと待ちぼうけだったセカンドが一発打つんですよ。そこで観て(聴いて)いる身としては、「あぁ、セカンドティンパニが待ちぼうけだったのはこの一発に重みを持たせるためだったんだ、いよいよ登場ワクワクだぜ!」と納得かつワクワクさせてしまうわけです。あの一発をファーストが打ったら凡打なのです。
ティンパニの御二人は4部が始まった途端猛烈な勢いでチューニングを始め、何度も何度もそれを繰り返し、何度も何度も譜面を目を皿のようにしてチェック。あまりにも緊張が伝わってくるおかげでかっこいい4部の旋律が頭に入ってこない。まぁデュアルソロが始まってしまえばそんなことはあまり関係ない。あの一呼吸の間違いも許されない極限のアンサンブルは聴き応え見応えありすぎました。
そしてフィナーレ、不滅のテーマ、ただの下降音階なのになんで聴くといっつも涙ぐんでしまうんだろう。

2部の出だしのクラリネットもよかった。すごく優しいふわっとした入りで、その音を聴くだけで引き込まれてしまいます。