天涯孤独のオーボエ吹き

告知すらしなかったが、木管セクションのアンサンブルコンサートであった。俺はルーセルの六重奏−ディベルティスマン一曲乗り。聴いたときの素直な印象に比べ、吹いてみると今まで体感したことのない「文脈」なので結構手間取ったが、最後の合わせでは「理解できた!」ように思える。別にルーセルの曲を聴いたり、エッセイで思想を探ったり、ていうようなことをしたわけではなく。ようは楽譜に書いてある表現・テンポ指示、想定されるオーケストレーション?(アンサンブルだからこうは言わんだろうな・・・でもオーケストラのサウンドを意識して書かれているような気がしたので)をきちんとやっただけのこと。四の五の言う前に、楽譜を忠実に拾っていき、文脈とニュアンスを理解することで大抵のの曲は「理解」できると思う。

やはり今年の一年生は上手い。安定感がある。アンサンブルになりきっていない団体も多かったが、それでも以前のアンサンブルコンサートが地獄のように退屈だったことを考えると、とても大きな進歩だ。

やはり木管五重奏ないしそれに類似するアンサンブルは難しい。サウンドがイメージしにくい。なかなか作れない。ピッチが云々以前に、音質や指向性が180度違う楽器が調和せねばならんわけだから。難しい、合わせなきゃってことがまずみんな分かってない、そこの吹けば合うと思っている人、大間違いですよ。


ちょっと寂しいのは、○岡さんはじめとするほかのオーボエ吹きたちは老若様々な世代の色んなアンサンブル団体で吹いているのに、俺には「いつもの」メンバーから「アンサンブルやろうよ!」としか声がかからない。。それがかかるだけまだましだが。単なるやっかみに過ぎないのは分かっているが、何かこう、壁を感じてしまう。やっぱりアンサンブルしにくそう、とっつきにくそうって思われているんだろうか。そもそも人間的に一緒に吹きたくないとか。

やっぱり考えてみると、「アンサンブルやろうよ!」と言われたことは本当に数えるほどしかない。しかも言われたのはジョリヴェ(笑)のファゴットとのデュオ。でもあれは楽しかった。ましてや可愛い女の子に言われたことなど皆無。誰か俺と愛のアンサンブルしませんか。


でもやっぱり楽しいのはギターとインプロビゼーションをぶつけ合うインタープレイだわな。あれを知ってしまうと古典ものの木管五重奏なんてたるくてやってられない。せっかくアンサンブルするなら、魂ぶつけ合わなきゃ。id:tsukuba3舘野泉ばりに右手奏法で復活を遂げたらしい。ほんと早く一緒にやりたい。この閉塞感を吹き飛ばしたい。


そうは言ってもやはりプーランクのトリオや六重奏、ニールセンの五重奏なんかはやってみたいわな。生き物みたいに躍動感のあるアンサンブル、してみたいものだ。