今tsukuba3に聴かせたい一枚

マーラー:交響曲第9番

マーラー:交響曲第9番

MDがどこか行ってしまっていた。なぜか最近とても聴きたくなり、届くのが楽しみでしかたがなかった。
バルビローリはほとんど「見栄え」を考えない指揮者なような気がする。華美な曲は悲しいくらい彼に似合わない。そのかわり、自然体で、ささやくような曲は彼にしか出すことのできない音楽が聴こえてくる。苦悩の果てに辿り着いた真諦の境地とでも言えようか。ハレ管とのシベリウスは、ハレ管の実力と相まってかなり当たりはずれがあったが、(第6交響曲と「恋人」はもっとも好きな演奏のひとつ)ベルリン・フィルとやると本当に彼のやりたかったことが見えてくる。暖かさと切なさと絶望、その果ての安らぎに満ちた9番の雰囲気をこうも引き出している演奏は他に知らない。何度聴いても飽きず、聴くたびにほんのり涙が出てくる、幸せな演奏。

どこまで本当かわからないけれど、ベルリン・フィルは本当にバルビローリが好きだったみたいですね。そんな愛も感じ取れるような。