下見の下見だそうだ

ここのところ仲睦まじく?しているT君が下見の下見をしないかとのお誘い。何かと思えばホタルのだとのこと。頼まれたスキャンで煮詰まり気味だったのもあり、一緒に行くことに。

向かったのは筑波山麓の某所。
着いてまず思ったのは空気があまりにも綺麗ということだった。我が住居伯楽も、学園からはそれなりの距離があり、周囲は林なので空気はそれなりに綺麗なはずなのだが、ずいぶんと違う。やはり筑波も年々都市化してきているということなのか。
確かにここ1,2年でずいぶんと夜空が明るくなり、空気の澄んだ日が減り、綺麗な空の見られる日もがっくり減った。とくに大学学部時代は、現実離れしたような綺麗な空を見て自分を慰める日々だった(笑)し、筑波はそれぐらいしか見るものがないと信じていたので、綺麗な空出現率の減少はかなり実感していた
伯楽では時たま山の上のように空気の澄んだ日があり、これじゃ山にわざわざ登りに行く必要もないな、なんて自堕落を肯定していたのが、そういう日もめっきり減り、しかもここ最近は、西風が吹くと喉がいがいがすることが多かった。
夜空が明るくなったのも相当なもので、冬に登山経験のない人へのレクチャー(というにはあまりにも厳しい冬山体験となってしまったが)筑波山に登り、俺は星でも撮ろうと意気込んでいたのだが、頂上についたらとてもじゃないが星など撮れるような明るさではない。これにはメンバー誰もがびっくりしていた。街がないところも街灯がしっかりと設置されていて、それがまた煌々と明るいのだ。筑波は暗くて怖い、犯罪の温床だなどと言っている人間は、とりあえず山頂から街を見てもらいたいものだ。

と、話がずれたが、そんな都市化諸現象をつらつらと思い出してしまうほど空気が旨かったのだ。
また、そこは視界が遮られた、ぽっかりと空いた平地なのだが、何故か自分はそういうところが一番落ち着くので、思わずビバークしてしまいたくなるほど居心地が良い。沢の水音も心地良いし、田んぼの水面に鈍く映る月も綺麗だ。これは自分の勘、下手したら思いこみ程度だしひどく曖昧なものだが、その土地が健康というか、活き活きとしているというか、そういうった感じが何となく分かる。その勘によれば、ここは間違いなく健康で清涼だ。もさもさとしていた足取りも軽くなり、月明かりの中、露に濡れる草を踏み分けてホタルを探す。

いつものごとく自分がダラダラとしていて時間が遅くなってしまったのでもう居ないかも、というT君見解だったが、田んぼの際に二匹ほど飛んでいるのを発見。ヘイケボタルの小さな明かりでも、遠くから見ると随分と存在感があるもので、暗がりの中に二つの光が明滅しているのを見ていたら結構満足してしまった。下見の下見、これはこれでいいもんだな。何より清涼さを味わえて良かった。最盛期はたくさん飛んでいるそうなので、カメラを携えてもう一度来よう。出来ればホタルの飛び交う中、ぼーっとしていたいものだが。

しかし、wikiか何かでは、ここ伯楽のある上境もホタルの名所らしいですな。下のほうには湧水や溜め池、そして土の畦の残る田んぼがあるので、ホタルの生息場所としては申し分ないのだろう。ただ、住人K君がホタル探しを昨年してみたところ、一匹も確認出来なかったのこと。ずいぶん過去の情報になってしまったのか、単に時期が悪かったのか…