このジャケットを載せてみたかった

Re: Person I Knew

Re: Person I Knew

 Re:Person I Knew。演奏頻度の割に知名度の低い曲である。意味深なタイトルは、憂いを多分に含んだ曲調から最初てっきりスコット・ラファロへの追悼を現しているのかと思いきや、当時のマネージャーだかの綴りを並び替えただけとか。もしかしたら真の意図の照れ隠しかも知れないけど。
ビル・エヴァンスの作品のなかで一曲目にRe:Person I Knewが収録されたアルバムは俺の知るところ、Moonbeamsが最初で、次にこの作品、Paris Concert二枚目、Turn Out of Starsの3枚目と続いていくが、どのアルバムも好きだ。しかもTurn Outが2曲目な以外すべて一曲目である。この曲の持つ何とも言えない憂いが徐々に昂揚していく様はほんと引きこまれるようで、この曲でライブが始まったらと想像しただけで鬱々とわくわくしてくる。
この曲の雰囲気が持つ支配力のせいか、アルバムは徐々に明るいテイストになっていくものの、諦観したような雰囲気に満ちている。鬱でもなく、そこはかとない昂揚がビル・エヴァンスらしいなあと思うし、他の誰もが真似のできない感情だと思う。
次のSugar Plumはまさにそんな演奏で、曲も美しいし、アドリブも上々。エディ・ゴメス(b)もこのころになるとかなりインタープレイ炸裂している。最後のAre You All The Things(皮肉めいたタイトルだ)ではアルコソロも聴かせてくれます。
34 SkidooやVery Earlyなども爽やかな好演。

ヴィレッジ・ヴァンガードにて1974年のライブ録音。これと同じライブが収録された兄弟盤にSince We Metがあるが、何故か雰囲気が全然違う。諦観というよりかは、どこかファンタジックな感じだ。音質も演奏の完成度もこちらが上だが、良く聴くのはRe:Personのほうなんだよな。二枚とも地味だが中期の代表的名作だと思う。

あ、ちなみにジャズのピアノトリオです。