グレン・グールドは独りで弾いている時も指揮をする

グレン・グールド エクスタシス [DVD]

演奏ビデオかと思っていたらそうでなかったので肩透かしを食らった気分。変なハゲオヤジがもっともらしい解説つけて、ヨボヨボの評論家たちがさらに彼を語っていくのだが、「彼は天才だったわ」「ありえない」「尋常じゃないね」と言葉を拾っていくだけの手法。結局わからん。おいそのやり方id:violent_jefが観てたアメプロのDVDでもやってたよ。それに彼は「天才」なのか?むしろ「奇才」といったほうがピンとくる。
それはもうとても尋常とは言えない彼の演奏している姿を拝めただけでもよしとするか。しかしあれだけエモーショナルな弾き方からあまり感情の匂いのしない音が出てくるのは先日観たビル・エヴァンスとは対照的だった。すごいすごいと言われるグールドののバッハはあまり好きじゃない。いいと思ったのはスクリャービンソナタ3番とシベリウスソナチネだった。とくにシベリウスはレコードで聴いたが、今まで聴いたピアノの録音のなかでは一番美しい音だった。